子どもの頃から住宅の設計には興味がありました。友達の家に遊びに行ったとき、その子のお父さんの仕事道具でドラフター(製図台)があって、こんな仕事があるのかと思ったのがきっかけだったのかもしれません。建築系の専門学校に通い最初は別の建築会社に入社しました。公共工事の現場監督の仕事が多い会社でした。木造住宅に興味があったのですがコンクリート建築が仕事になりました。
その後、船木建設に入社し、木造建築の設計、現場監督などをするようになりました。思うのは、木造住宅は複雑だなということ。コンクリート建築は強度計算などは別の専門職が行う、といったように分業が多いですが、木造住宅の設計者は、自分でほぼ全て考える必要があり、知識や経験を求められます。
思えばこの業界での経験は26年を超えました。経験は増えましたが、気を付けているのは、まずお客様の要望をしっかり伺うことです。自分の意見をお客様に押し付けるのではなく、お客様の要望を踏まえたご提案をまず用意し、そのうえで、私のご提案も選択肢としてお伝えしていきます。
リフォームの現場などでは、状況を診断すると思いのほか状態が悪いことが判明する場合もあります。そうした場合に、お客様に現実をお伝えするのは心苦しい場合もあります。でもお客様がショックを受けないように言葉を選びつつも、どのような問題が起きているか。そしてしっかり直すために、どのような選択肢があるか、きちんと提案したいと考えています。
現場監督としては、ご近所への挨拶回り、朝の清掃やお客様との信頼関係が大事だと考えています。現場の大工や専門職が気持ちよくいい仕事ができる段取り、そしてお客様も我が家のリフォーム、新築工事中に現場を見に来やすい雰囲気づくりなどは今後も重視していきたいと思っています。